今回は世界三大通貨の1つである「EUR(ユーロ)」について解説していきます。この通貨はUSDに次いで取引量の多い通貨です。
「EUR(ユーロ)」の特徴
EURはEU諸国の27カ国中、18カ国で広く流通されています。EURは欧州で広く流通されていますが、加盟国が多いためどの国の情報を参考にすればよいのか悩むという人も少なからずいるでしょう。
※EU加盟国(2015年1月現在)
アイルランド/イタリア/エストニア/オーストリア/オランダ/キプロス/ギリシャ/スペイン/スロバキア/
スロベニア/ドイツ/フィンランド/フランス/ベルギー/ポルトガル/マルタ/ラトビア/リトアニア/
ルクセンブルク
どの国に注目すればよいか、それはGDP(国内総生産)が高い国に注目することをオススメします。EUR加盟国のGDPの約80%は「ドイツ/イタリア/スペイン/フランス」が占めているのでこの4カ国に注目。その中で最も注目すべきはドイツ、その次にフランスがEU経済を代表する国ですので経済指標の際の確認は欠かせません。
ドイツは欧州の中で最も経済が発展している国ですのでユーロ市場に与える影響はたいへん大きなもの。EUを脱退する可能性もあるという噂もあるので注目しておくべき国です。ユーロ圏で重要とされる経済指標は以下を参考にしてください。
◆ECB政策金利発表
毎月上旬に発表されます。ユーロ圏の政策金利をECB(欧州中央銀行)が決定。
◆失業率
毎月上旬に発表されます。家計調査をベースに失業率を調査。
◆GDP国内総生産
四半期ごとに発表されます。ユーロ導入国全体のGDPを元に欧州委員会が四半期ごとに発表。
◆ZEW景況指数
毎月中旬に発表されます。ZEWとはドイツの欧州経済研究センターの事で、この指標はZEWが発表している景気に関する統計のこと。
ECBの動向にも注目
EUR圏での要人発言に注目する場合はECB(欧州中央銀行)の議長である「マリオ・ドラギ」の発言には注目です。ユーロ圏ではデフレ傾向にあり、欧州中央銀行では消費者物価指数を増加するためにも2015年9月5日に量的金融緩和の実行を行いました。
量的緩和を行うということは市場に流通するお金を増やすということですので、企業に出回るお金が増え賃金が増加することが期待できます。そうなると消費者物価指数も上昇し、インフレ傾向にすることも可能です。
お金が大量に出回るということは通貨の価値も下がるのでその国の通貨は下げの傾向に。EURが下がるということを知っていれば取引を行う上で有利に働くでしょう。
EURが動くのその他の要因
現在EUR圏では多くの問題を抱えています。ギリシャ問題や昨年発生したフランス・パリのテロ事件などがそうですね。
今後はギリシャの動向次第では第二のユーロ危機も懸念されています。そのためユーロで取引を行うならばチェックはかかさずにしておきましょう。
またユーロにはユーロ圏以外の国の経済状況の影響を受けることがあるという面白い特徴があります。主要取引国である米国の経済状況やイギリスの経済状況にも関わってくるので変動の多い通貨です。ただ変動が多いということはバイナリーオプションで取引を行うにはチャンスとなります。
ユーロとの通貨ペアで人気なのが「EUR/USD(ユーロドル)」で世界で最も取引量の多い通貨ペアです。次いで人気なのが「EUR/JPY(ユーロ円)」。「EUR/USD」は重要な指標や要人発言がないときは値動きが比較的穏やかですので、予想しやすいことでも有名です。
EUR(ユーロ)の特徴まとめ
・ユーロはGDPが高い国(イタリア/ドイツ/スペイン/フランス)に注目
・経済指標や要人発言(特にECBの議長)後の値動きに注目
・ユーロ圏以外の国の経済状況の影響も受けることがある