今回は世界三大通貨で私たちにも馴染み深い「JPY(日本円)」について解説していきます。この通貨はUSDとEURに次いで3番目に取引の多い通貨です。
「JPY(日本円)」の特徴
JPYは世界三大通貨の1つではありますが、USDやEURと比べると取引量は少なくなっています。しかし為替市場に与える影響は絶大で日本円と他の通貨とのペアはたいへん人気です。
最近では「CNY(人民元)」が日本円を抜かして世界三大通貨の地位に入ってくるという噂がされていますが、まだ政治的にも経済的にも安定しない状態です。そのためまだJPYは世界三大通貨として数えられるでしょう。
またJPYは「ゼロ金利政策による超低金利」のため、低金利のJPYを調達して高金利通貨(豪ドルなど)を買って金利差を稼ぐ方法を撮ったりする投資家もいるようです。ではJPYの特徴とはどのようなものでしょうか。
JPYの特徴としてはアメリカの経済に影響されやすいという変わった特徴を持っています。アメリカの経済が悪化しているときは円安に進む傾向にあり、アメリカの経済が良くなると円高になる進む傾向に。
そのためアメリカの経済指標などにも影響が強く関わってくるので日本の経済指標だけでなく、アメリカの経済指標にも注目しておくべきでしょう。
※アメリカの経済指標についてはこちらで確認できます。
日本で重要視される経済指標は他の国に比べて少ないですが、日銀の動きなどによっては為替相場が大きく動くことも。日本で重要視される経済指標は以下の通りです。
◆日銀金融政策決定会合
毎月1~2回発表されます。日本銀行の政策委員会が金融政策について話し合う会合のこと。公定歩合や基準割引率、金融市場調節の方針、経済・金融の情勢などについて話し合った結果を発表します。
◆完全失業率・有効求人倍率
毎月月末、または月初めに発表されます。雇用関係の経済指標として完全失業率と有効求人倍率を発表。
◆日銀短観
4月初旬、7月初旬、10月初旬、12月初旬に発表されます。日銀が発表している「全国企業短期経済観測調査」のこと。景気動向を測る指標で、製造と非製造に分けて発表。
日銀の動向にも注目
JPYはアメリカの経済指標や金利政策にも注目しなければなりませんが、当然日本の中央銀行である日本銀行の総裁による発言にも大きく影響を受けます。2016年2月現在の日銀総裁は黒田東彦総裁で、最近あった発言としては「マイナス金利政策」が記憶に新しいですね。
マイナス金利政策とは通常ならば銀行に預金をすると利子・利息である金利を日銀が銀行側に支払うものを銀行側が日銀に支払わなければならなくなるということ。こうなると銀行に預金をしても意味がありませんよね。
預金してお金を減らすくらいなら預金せずに自分でお金を使ったほうが良い、とほとんどの人は考えるでしょう。そうしてお金が回ることで景気回復の効果も見られます。このような理由からマイナス金利政策を行っているということです。
JPYが動くその他の要因
また日本は低金利ということで安全資産とみなされ、リスク回避として円が買われる傾向にあります。そのため2015年に起こったパリの同時多発テロの際にもJPYは多くの投資家に買われ、また北朝鮮の水爆実験が成功した時もJPYは買われていました。
またJPYの動きとして円安になるときはゆっくりと時間をかけて進んでいきますが、円高になるときは短期間の間に一気に進む傾向にあります。日本円で取引をするときは世界の情勢やペアとなる通貨国の経済指標、アメリカ経済の動向も気にしておく必要があるでしょう。
JPY(日本円)の特徴まとめ
・アメリカの経済状況に影響されやすい
・日本銀行の動きや要人発言に注目
・円安と円高で値動きが違う