2013年8月から施行された国内バイナリーオプションの規制。具体的にどういった内容で規制が行われ、海外と国内のバイナリーオプションでは何が違うのでしょうか?バイナリーオプション会社の選び方についてでも違いについて解説しましたが、ここでは主に国内業者の規制について解説していきます。
国内バイナリーオプションの規制について
公的規制が入ることもほぼ確実していた国内のバイナリーオプション取引。2013年7月3日、一部改正された内閣府令が公布され、同年8月1日より施行。既存のバイナリーオプション業者に関しても11月いっぱいで新しい規制に沿ったサービス提供を行わなければならくなりました。
それでは、どういった点が規制により変化したかを確認していきましょう。
取引期間
・取引開始から判定時刻までの期間(時間)は、当面の間、2時間以上
・原則として、判定時刻の間隔は2時間以上(1営業日に設定できる判定時刻の最大数は12回)
これまで国内のバイナリーオプションでも5分や10分といった短時間の取引が行えましたが、規制に伴い1回の取引時間が2時間以上に設定されました。これにより短時間行うハイアンドローの取引が行えなくなっています。また、海外では主流の短期取引(60セカンド)なども勿論行えません。
権利行使価格の固定とオプション価格の変動
・原則、権利行使価格は、判定時刻の2時間以上前に決定
・オプション価格は、判定時刻までの間、原資産となる通貨ペアの価格変動やオプションの残り時間などを反映して変動
これまでは「どのタイミングで購入しても配当倍率であるペイアウト率が固定されていた」というのが主な取引であり、購入終了時間間際でポジションを保有すればするほど有利といわれていましたが、判定時間までの残り時間や現状のレート、値動きから常時オプション価格が変動するようになっています。
簡単に言えば、長時間の動向を予想できれば配当の倍率が高くなり、短い時間の動向しか予想しない場合は予想を当てるのも容易になるので、配当が下がる仕組みが取り入れられています。
総取りの撤廃
・投資できない価格帯を設けることを禁止
一言で言えば、レンジ外を設けることを禁止するという内容。毎回自動で設定されるレンジ外は、言ってしまえば親の総取りにあたる部分。動向の予想結果が当たっていようと、このレンジ外の中に納まることで配当はえられない仕組みになっていましたが、今回このレンジ外そのものが禁止となっています。
2WAY方式による価格提示
・取引をキャンセルする際にポジションを解消するための価格を提示しておく必要がある
自分が現状どれくらいっているのか、どれだけの値動きがあるのか、といった内容が分かるように売りと買いの両方の価格をリアルタイムで表示してもらえるようになりました。
知識認識テストの実施
・バイナリーオプション取引を行うにあたり、必要と思われる基礎的な知識を見につけなければなりません。バイナリーオプション取引を取り扱う会員各社では、ホームページなどを通じて、バイナリーオプション取引にかかる基礎的知識の学習コンテンツを提供し、知識が十分でないと判断した場合には取引の手続きを停止する
結論から言うと、「知識がないならバイナリーオプション取引はさせないよ」というもの。業者側が容易した知識認識テストに受かるまで口座開設が行えず、仮に合格点を取れない場合は翌日移行に再度知識認識テストを行わなければなりません。
国内バイナリーオプション業者の規制に関してはこちらで確認できます。
短期取引なら海外バイナリーオプション業者
2011年にFXのレバレッジが25倍という規制を受けてから人気の高まっていたバイナリーオプション取引ですが、そのバイナリーオプションですら規制を受けて取引の自由度は狭くなるばかりです。
一度に多額のリターンを狙うことができないため、コンスタントに取引を重ねていくことである程度纏まった利益を得ていたトレーダーも少なくなく、取引回数自体に制限がかけられた国内業者での利益率は下がったとまで言われています。
一方で国内の規制の影響を受けない海外バイナリーオプション業者では、国内規制後も短期取引、1分間取引が可能な現状。短時間で取引を行う事ができるため、これまでと同じスタイルでバイナリーオプション取引を行いたい方が海外業者を利用する傾向が強くなっているのです。